筆者は2023年6月から1年間の育休を取得しました。
男性で1年育休とるのは珍しいせいか周りからは驚かれることが多いですが、改めて6カ月の育休生活を振り返ってみると「0才児の育児が1人でできる訳がない」と本気で思います。
ママにとってもパパにとっても初めてのことだらけです。
「子供を作る」と決めたのは2人であり、お互いが責任もって育児することは当たり前の話です。
そのために育児休業という国の制度は大いにフル活用すべきです。
という前提のもと筆者が思う男性育休の違和感について(ちょっと過激に)思うことをまとめました。
男性育休の違和感【4つ】
家庭の状況や夫の性格など議論は必要だと思いますが、フラットに考えた時に覚える違和感を書きます。
「育休取得率が低い」に覚える違和感
まず男性育休の取得率(17.13%)が低い主な理由をみてみます。
主な理由
「育休を取得しづらい雰囲気がある」
「職場が人手不足」
「収入を減らしたくない」
「昇給・昇格等キャリアに影響が出る」
共通して言えることは「仕事をするための人生ですか?」と。
育休は国の制度であり会社は申請代行してるだけです。
職場の状況なんて本来関係ないはずですし女性は普通に育休とってます。
今の育児給付金は給料の手取り8割を国が保証してくれます。
仕事が生きがいでない限り手当がある育児より仕事を優先する理由って何でしょうか。
欲を言えば手取り10割保証して欲しいところです。
法案もありますし今後に期待するとして、それでも手取りが8割になっても家計が破綻するとは思えないですし、仕事してないのにお金をもらえる状況って良い意味で普通じゃないです。
育児給付金は給料から天引きされている”雇用保険”から支払われます。
育休はサラリーマンだからこその権利でありチャンスです。
法整備はもちろんですが、当事者の意識が変わることが大切だと思います。
「育休2週間とりました!」に覚える違和感
SNSなどでよく見かけるアピールですが、正直2週間や1カ月程度の育休では全く意味ないと思います。
5日間なんてもってのほかで、ホームヘルパーですかと言いたくなるくらいですね。
特に新生児期はママもパパも赤ちゃんもみんなが初めてのことづくしです。
そんな手探り時期において短期間の育休はホームヘルパーどころか遊びに来た友人程度のことしかできません。
最低でも育休6カ月以上。
月齢を重ねる度にできることが増えてくるので個人的には普通に1年とるべきとは思います。
特に約6カ月ごろに始める離乳食(補完食)はやることが多く人手が必要です。
男性も育休1年取得するのが当たり前と考えた時に「育休2週間とりました!」というアピールは違和感しかありません。
「奥さんサポートしてあげてね」に覚える違和感
育休前や育休中にかけられた言葉です。
出産に対してならわかります。
出産はとても大変なことで、ママの体調が整うまでサポートするのは当然です。
でもこの言葉が育児に対してだった場合はどうでしょうか。
ママが主体であることが前提なのでしょうか。
育児は女性の役割で男はそれをサポートするという意味だとしたら女性にも男性にも失礼です。
サポートという言葉には気をつけたいところです。
「ママの抱っこが一番かな」に覚える違和感
泣いてる子供をパパが抱っこしてあげた時に言われることがあります。
何の決めつけでしょうか。
この言葉にも差別的要素を感じます。
実際ウチはパパ抱っこが好きな傾向にあります。
どちらにしても偏見で物事を決めつけるのは悪気がなくても相手にとって失礼です。
それが些細な事であっても積み重なっていくものです。
育休FAQ
- 産後パパ育休とは?
産後パパ育休とは出産後8週間以内であれば分割して休業とることができるパパだけの制度です。
この制度によって男性育休には2種類あることになります。-通常の育休
-産後パパ育休“通常の育休”は女性が取得するものと同じで1年取得可能です。
そのため最初から通常の育休を取得するパパには産後パパ育休は考えなくて大丈夫です。
産後パパ育休の目的は仕事の都合上、分割して育休とりたい場合に利用するオプションのような制度です。筆者は産後パパ育休を利用しないといけない制度だと思い一生懸命理解しようとしたのですが、普通に1年間育休取得する場合は産後パパ育休を利用する必要ありませんでした。
- 契約社員の育休条件は?
筆者が契約社員なので当時色々調べました。
契約社員も雇用保険を払っているので育休とることができますが1つだけ条件があります。子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
【厚生労働省】育児休業や介護休業を することができる 有期雇用労働者について契約社員は有期であることが多く、何をもって契約更新されるのか?この辺は事業主側の判断もあり正直曖昧だなあと思います。
なお、以前は「1年以上雇用されていること」も条件でしたが令和4年に撤廃されました。
- 出産が早まったら?
女性は多少早まっても産休中ですが男性の場合はどうでしょうか。
出産が予定日より早くなってもそこから育休をとることができます。
ただ業務引継ぎなどの都合もあると思いますので事業主との連携が必要です。- 出産が遅れたら?
出産が遅れても元々の出産予定日から育休をとることができます。
出産予定日を育休開始日として取り扱います。- 育休手当いつ入る?
育児給付金、いわゆる育休手当ですが筆者の場合は6月に育休開始して8月末に入りました。
ハローワークから振込あり、最初はホントにきたーって感じでした。(こないと困りますが)
ちなみに女性は産休を挟むので男性より給付が遅いです。- 育休手当に上限ってある?
育児休業給付金の上限は月310,143円です。
実際は2か月分まとめてになるので振り込まれる額としては620,286円になります。
つまり給料46万円以上の人は上限に達してしまうので注意が必要です。
育休ではなく「育業」
これまで本記事では育休という言葉を使ってきましたが、東京都は2022年から新しい愛称として「育業」と呼んでいます。
育児休業を「休み」ではなく「未来を担う子供を育む尊い仕事」という考え方です。
筆者もその理念に賛同しており今後は育休ではなく育業と呼びたいなと考えています。
是非、東京都だけではなく国として推進していってほしいなと思います。
例えば「産後パパ育休」制度にも「育休」という言葉が使われています。
妻のフィードバック
妻(ひぃちゃん)に改めて6カ月の育業生活を振り返ってもらいました
・お互いが責任をもって育児できている
・家事においても価値観のすり合わせができるのは良い
・赤ちゃんが泣いてても心の余裕が持てる
・金銭面が理由で育業取得が阻まれないよう、資産を計画的に作っておくことも大事
夫婦で一緒にいる時間が四六時中!ある意味、老後のパートナーとずっといる生活をお試しできる期間でもあるように感じています。
最後に
こんなこと書いておきながら、もし2人目の子供を授かった時に育業とれる保証は100%ではないパパです。
元々個人事業主でしたが意図せず契約社員になり、それが偶然にも育業を取得できる権利につながりました。偶然か必然か運命は誰にもわからないものです。
そういう意味でも育業をとれる権利があるならそれはチャンスです。
国がより良い法整備を整えていただくことを期待しつつも現状の制度はフル活用し、これからの未来を担う子供を育む尊い仕事をしていきましょう。